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ネットワークを軸としたIT技術メモ

自宅サーバー選定 - 安価で妥当な仮想化環境を作る

自宅のサーバー(ホームサーバー)を買い替えたいと思い各種選定をしたのでまとめる。現在の環境はこちらの通り。

他にもCisco、Juniperのネットワーク機器を持っており、自宅ラボを構成している。

現状で不足している部分は、ネスト仮想化(Nested Virtualization)の対応とメモリー容量。なお、自宅・個人での使用なので基本的に中古の格安で仕上げたい。

前提は仮想化環境

前提としてOSは直接インストールせず、VMware ESXiで仮想化する。選定にあたり、ネスト仮想化(Nested Virtualization)を使えるようにしたい。背景はこちらの記事に記載の通り。

VT-x is not availableのエラーでネスト仮想化に失敗する - designetwork

サーバーの用途

ネットワーク技術の検証がメイン用途になる。Cisco, F5などの仮想アプライアンスLinuxでの管理システム、VMware, Open Stack, Docker, Cloud FoundryなどのIaaS, PaaSの技術検証をしたい。自宅ラボの拡張だ。

サーバ選定

欲しいサーバ要件は以下の通り。筐体を選んでカスタマイズする。

  • CPU:Core iシリーズ or Xeonシリーズ
  • モリー:8GB以上(できれば16GB)
  • DISK:1TB (SSD不要)

サーバ筐体

サーバの自作は考えておらず、既成品にする。自作のほうが自由度が高いかもしれないが、もしものときのトラブルシューティングを考えると、多くの人が使っている既成品が良いと考えている。

自宅サーバなので、ラックマウントではなくタワー型とする。選定候補シリーズは以下の通り

いずれも素晴らしい製品ではあるが、今回はDELL PowerEdgeを選定する。
今使っているのがPowerEdgeなので、なんとなく愛着がある。また、他メーカー各社はSI事業にも力を入れているが、DELLは製品メインなのが好印象。(DELLもSIなくはないが...)

PowerEdge型番検討

DELL PowerEdgeを使用することは決めたため、詳細な型番を検討する。

価格重視で安価に抑えたいので、最新モデルではなく型落ちで考える。とは言っても性能は欲しいので、SCシリーズではなくTシリーズから選ぶ。

仕様比較(最大)

項目 T100 T105 T110 T110Ⅱ T130 T300 T310 T410
CPU X, C2 AMD X, Ci X, Ci X, Ci X, Ci X, Ci X dual
Socket 775 A754 1156 1155 1151 711 1156 1366
RAM 8GB 8GB 16GB 32GB 64GB 24GB 32GB 256GB
DISK 2TB 2TB 4TB ?? ?? 3TB 4TB 12TB
評価 NG NG 有力 有力 過剰 過剰 過剰 過剰

X:Xeon, C2:Core 2 Duo, Ci:Core i ソケットタイプ:LGAxxxx

詳細な仕様比較はこちらから
購入:Dellサイト マップ:すべての製品、ソリューション、サービス | Dell 日本

CPUは換装する前提で考えるので、ソケットのタイプが重要になる。搭載されているCPUのソケットタイプに合わせる必要があるので、注意して選定する。ソケットタイプはこちらできれいにまとまっている。

CPU比較

2016/12時点の中古市場を考慮すると、T110Ⅱが最適な選択だと考えられる。

CPU選定

T110Ⅱを採用することにしたので、ソケットタイプはLGA1155のCPUを検討する必要がある。

CPU性能の指標はこちらの記事が面白く分かりやすかった。

戦闘力5500、できれば8000は欲しい。価格は安く抑えたいので、中古でいいので1万円以内で探す。なかなか希望のセットアップ品が見つからないので換装前提とする。

サーバなのでCPUはXeonがベストだが、Xeonは基本的に高額になるのが懸念点。順当にCore iシリーズで検討することとする。Core i3, i5, i7の世代はこちらの記事が分かりやすかった。参考にさせていただきました。ありがとうございます。

LGA1155ソケット製品
Intel Core i7/i5/i3 3XXX (Ivy Bridge:アイビーブリッジ)
Intel Core i7/i5/i3 2XXX (Sandy Bridge:サンディブリッジ)

Intel Xeon E3シリーズ(Ivy Bridge:アイビーブリッジ)
Intel Xeon E3シリーズ(Sandy Bridge:サンディブリッジ)

DellオフィシャルではサポートはCore i3シリーズ、Xeon E3シリーズとなっており、以下のSupport Communityでもあるとおり、Core i5など別シリーズに換装するのは推奨されていない。

upgrading the poweredge t110 cpu - Dell Community

Core i3Xeon E3から選定する

Core i3 3000シリーズの場合、最高でも3250 (2コア4スレッド)3.50GHz:戦闘力:4517と、戦闘力に欠ける。そのため、今回はCore i3ではなくXeonを採用する。

上記の戦闘力の中にXeonはなかったのでこちらを参考にした。共通する部分で概ね同様の数値だったため考え方は踏襲する。

https://iranking.zetecr.net/rank.pl

Xeon E3-1220 4コア 4スレッド 3.1GHz(最大:3.4GHz) 戦闘力(仮):6088 中古相場:5,000〜7,000円
Xeon E3-1220v2 4コア 4スレッド 3.1GHz(最大:3.5GHz) 戦闘力(仮):6532 中古相場:8,000円
Xeon E3-1270 4コア 8スレッド 3.4GHz(最大:3.8GHz) 戦闘力(仮):8408 中古相場:12,000〜15,000円

モリー選定

正直なところ、メモリーは型があっていて動作すれば特にこだわりはない。 新品だと安価なところで
 4GB:2,500円
 8GB:5,000円
といったところだ。

DISK選定

DISKも特にこだわりはないが、Western Digitalに信頼感を持っている。 ざっくりとSeagateは故障率が高いと聞いており嫌煙していた。しかし、2016年の調査ではSeagateよりWestern Digitalの方が故障率が高いらしい。Toshibaはシェアが少ないので除外。HGSTはあまりに高いので除外。

WDは故障率が上がってきているようなので、現在はSeagateが優勢だと思う。

概算見積もり

CPU・メモリー・DISKの概算見積もりは以下の通り。パーツだけであれば3万円以内で収まる。

項目 価格 備考
XeonE3-1220 7,000円 E3-1270 +8,000円
Memory(16GB) 8,000円 中古4GB*4
HDD(1TB*2) 16,000円 Seagate新品 RAID
合計 27,000円

中古サーバーを探す

意外と、既成品の中古で要件を満たすものがいくつか出品されている。

完全に希望に合致するものはないため、どのパーツを妥協、換装するかを検討して購入するのが良い。

ヤフオク

DELL PowerEdge T110Ⅱ Xeon E3-1270 3.4GHz メ8GB BIOS OK
即決30,000円

格安の中古といえばヤフオク。ただ、サーバとなると品薄になっている。

ReuseServer

https://www.reuseserver.net/SHOP/list.php

中古サーバ DELL PowerEdge T110 (4Core)
35,000円(税込 37,800円)
[サーバ本体] [DELL] [CPU4C] [HDD搭載] 中古サーバ DELL PowerEdge T110 (4Core) (XeonE3-1220(4C)-3.1GHz×1/メモリ:16GB/HDD:2TB×1)

中古サーバ DELL PowerEdge T110 II
38,000円(税込 41,040円)
[サーバ本体] [DELL] [HDD搭載] 中古サーバ DELL PowerEdge T110 II (XeonE3-1270(4C)-3.5GHz×1/メモリ:4GB/HDD:別売)

出品はある程度あり選べる。

楽天市場


【中古】DELL PowerEdge T110 II
サーバー, OSレス,
Xeon E3-1220, メモリ8GB(4GBx2), 1TB HDDx2
価格 33,000円 (税込 35,640 円)

意外と楽天の出品が安く、候補の中では最有力と考えられる。

注意 - PowerEdge T110 Ⅱ PERC H200Aのパフォーマンス

(2017/8月 追記)
標準構成のRAIDコントローラPERC H200はキャッシュ非搭載のためパフォーマンスに難あり。

[PERC] キャッシュのないRAIDコントローラのパフォーマンスに関する懸念点(H330、H310、S130、S110、S300、S100、H200、SAS 6/iR、SAS 5/iR) - Dell Support

なお、仮想化環境で使用する際はHDDのキャッシュも無効化されるため、さらに書き込みが遅い場合は多い。私の環境ではWrite 10MB/secでiowaitが5,000msecなどになることあり。(導入当初は知らなかった...)

communities.vmware.com

解消 - ディスクキャッシュ有効化でパフォーマンス向上

(2017/9/19 追記)

designetwork.hatenablog.com

まとめ - 自宅サーバー選定

自宅サーバー(ホームサーバー)として使用する場合、DELL PowerEdge T110 Ⅱが妥当と考えられる。
プロセッサはXeon E3-1200シリーズを使用して性能を確保する。
中古サーバー専門店で、格安とまではいかないが、30,000〜50,000円で購入・カスタマイズできる。
これで快適な自宅ラボ生活ができる。